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シス調節配列:HCR–FlowFISHを用いたシス調節配列の直接的な特性解析と複雑な遺伝的関連性の機能解析

Nature Genetics 53, 8 doi: 10.1038/s41588-021-00900-4

ゲノム機能と遺伝的多様性について効率よく解釈していくためには、シス調節配列(CRE)のエピゲノムを用いたマッピングから、内因性機能の特性解析への移行が必要である。今回我々は、HCR–FlowFISH(hybridization chain reaction fluorescence in situ hybridization coupled with flow cytometry)法を開発した。これは、内因性の転写産物の正確な定量を介して、CRISPRが変異を導入したCREの特性を解析する方法であり、広範な応用が可能である。この方法では、CRE活性を定量化するための階層ベイズモデルであるCASA(CRISPR activity screen analysis)法を用いている。32万5000を超える数の変異導入を調べ、CREは複数の遺伝子を調節することができ、最も近傍の遺伝子を飛び越えて働き、活性化とサイレンシングの効果の両方あるいはどちらか一方を示せる証拠が得られた。我々は、コレステロールレベルと関連するFADS座位において、内在性因子に対するスクリーニングとレポーターアッセイを組み合わせることで、複数のゲノムワイド関連シグナルの特性を徹底的に明らかにし、原因バリアントを機能的に特定し、重要なことに、それらの標的遺伝子を明らかにした。

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