Analysis

エキソーム関連解析:英国バイオバンク内の全ゲノムインピュテーションは希少なコード配列バリアント関連解析やファインマッピング解析を強化する

Nature Genetics 53, 8 doi: 10.1038/s41588-021-00892-1

これまでのエキソーム関連解析は一般的に、極めて希少なコード配列バリアントの表現型への影響を体系的に評価する能力が不足している。我々は、エキソーム塩基配列決定をした英国バイオバンク参加者4万9960人と、英国バイオバンクコホートの残り(合計約50万人)の間で共有される広範なハプロタイプを活用し、R2 > 0.5の正確性でマイナー対立遺伝子頻度(MAF)がおよそ0.00005に至るまで、エキソーム規模でのバリアントのインピュテーションを行った。54の量的形質の関連解析とファインマッピング解析により、1189の有意な関連(P < 5 × 10−8)を特定した。その中には、厳格な基準に基づき「likely-causal(おそらく原因である)」レベルでタンパク質を変化させる675の希少なバリアント(MAF < 0.01)が含まれている。形質全体として49%の関連(578/1,189)が、このようなヒットを2つ以上持つ遺伝子で見られた。これらの遺伝子のフォローアップ解析により、最大45の「likely-causal」レベルのバリアントを含む対立遺伝子シリーズが特定された。我々の結果は、集団規模のゲノムワイド関連解析におけるコホート内でのインピュテーションの有用性を示しており、「likely-causal」レベルの、効果の大きいコード配列バリアントの関連のカタログを提供し、遺伝学的バイオバンク研究が成長を続けることによって得られるであろう知見を予見するものである。

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