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転写後修飾:ヒトの脳、肺、心臓、筋肉におけるm6Aメチル化の遺伝的ドライバー

Nature Genetics 53, 8 doi: 10.1038/s41588-021-00890-3

転写後mRNA修飾の最も一般的な形態であるN6-メチルアデノシン(m6A)はRNA制御において多様な役割を果たしているが、ヒト組織におけるその遺伝的制御についてはまだ解明されていない。ここでは、GTEx/eGTExから取得した91人の4種類の組織(脳、肺、心臓、筋肉)のデータを基に、トランスクリプトーム規模のm6Aプロファイルを129通り報告する。これらを遺伝的な個人差および遺伝子発現の個人差のデータと統合することで、組織特異的な8843のm6A量的形質座位(QTL)と、複数の組織に共通した469のm6A QTLが明らかになった。これらのm6A QTLの中には発現QTLと共局在しているものも多少あるが、大多数は別個である。我々は次に、m6A QTLを疾患遺伝学のデータと統合することで、GWAS座位と共局在している184のm6A QTLを特定した。その中には、神経症的傾向、うつ病、統合失調症、不安症に関連する脳のm6A QTL、呼気流量や喘息に関連する肺のm6A QTL、冠動脈疾患に関連する心臓/筋肉のm6A QTLなどが含まれる。また我々は、m6A QTLに優先的に結合する新規m6A制御因子、その既知のm6A制御因子とのタンパク質間相互作用、m6Aレベルとその標的遺伝子の発現相関を予測した。本研究の結果は、エピトランスクリプトーム修飾のシスおよびトランス制御とその個人差、ヒト疾患における役割を理解するための重要な知見と情報資源を提供する。

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