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がん免疫:ゲノム規模のスクリーニングからナチュラルキラー細胞への腫瘍細胞応答を調節する因子が特定される

Nature Genetics 53, 8 doi: 10.1038/s41588-021-00889-w

本論文では、ヒト腫瘍細胞のヒト同種異系ナチュラルキラー(NK)細胞への感受性の程度を決める分子的特徴を系統的に明らかにするため、2つの方法が用いられた。1つは、「DNAバーコード」によって分子的な特徴が調べられる数百の固形腫瘍細胞株について、NK細胞応答性を多重定量することである。もう1つは、いくつかの固形腫瘍細胞株においてゲノム規模のCRISPR遺伝子編集スクリーニングを行い、腫瘍細胞のどの遺伝子がNK細胞への応答を調節するかを、機能を基に調べることである。これらの直交研究により、NK細胞感受性の腫瘍細胞は、「間葉様」転写プログラムを示す傾向があった。つまり、クロマチンリモデリング複合体の転写シグネチャーが高く、B7-H6NCR3LG1)レベルが高く、HLA-Eや抗原提示に関与する遺伝子群のレベルが低かった。重要なのは、臨床試料ではNK細胞感受性の腫瘍細胞の転写シグネチャーは、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)抵抗性と相関することである。この研究は、腫瘍細胞のNK細胞への応答を調節する機構についての包括的なマップを提供するものであり、今後のバイオマーカーを用いたNK細胞免疫療法の適用に影響を与えるだろう。

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