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ミクログリア:ヒトミクログリアの遺伝子発現多様性と遺伝子調節変異の解析

Nature Genetics 53, 6 doi: 10.1038/s41588-021-00875-2

ミクログリアは、中枢神経系(CNS)の組織常在型マクロファージであり、脳の免疫や発生、恒常性に関して重要な役割を担っている。しかし、一般的にヒトのミクログリアをin vivoで解析することは容易ではない。今回我々は、神経外科手術を受けた141人の患者から単離したプライマリーミクログリアを用いて、単一細胞レベルおよびバルクレベルの遺伝子発現解析を行い、年齢、性別、病理がどのようにミクログリアの遺伝子発現に影響し、どの遺伝子多型がミクログリア特異的機能を持つかを、発現量的形質座位解析を通して明らかにした。さらに我々は、ヒトiPS細胞から誘導されたマクロファージモデルを用いて、BIN1座位において特定されたアルツハイマー病の原因多型の分子生物学的機能を詳細に解析した。この研究は、ヒトCNSの発生や疾患を理解する上で最も重要な細胞の1つであるミクログリアの遺伝子発現に関する新たな知見を提供するものである。

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