Letter

構造バリアント:3622人のアイスランド人についてのロングリード塩基配列決定法の実施から、ヒトの疾患や他の形質における構造バリアントの役割についての手掛かりが得られる

Nature Genetics 53, 6 doi: 10.1038/s41588-021-00865-4

ロングリード塩基配列決定法(LRS)は、構造バリアント(SV)の解析を改善する上で有望である。本論文では、3622人のアイスランド人のLRSデータを作成し、1個人当たり中央値として2万2636のSV(中央値として1万3353の挿入と9474の欠失)を見いだした。確実に遺伝子型が決定された13万3886のSV対立遺伝子のセットを見いだし、それらを用いて16万6281人に対してインピューテーション解析を行い、疾患や他の形質に及ぼす影響を調べた。PCSK9のまれな1つの欠失が、集団平均よりも、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールレベルの低下に関連することが分かった。また、ACANの多対立遺伝子性SVが身長に関連することも明らかになった。つまり、57 bpからなるモチーフの反復配列数が異なる11のSV対立遺伝子が見つかり、反復配列の数と身長の間に相関が観察された。これらの結果から、ゲノムワイドな非標的手法においてLRSデータを用いることで、SVが集団規模で正確に特徴付けられることが示され、SVが表現型に影響を及ぼす仕組みが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度