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心疾患:先天性心疾患に非コード領域のde novoバリアントが関与していることがゲノム解析によって示された

Nature Genetics 52, 8 doi: 10.1038/s41588-020-0652-z

先天性心疾患(CHD)の患者の3分の1では遺伝的病因が特定されていて、症例のうちの8%はコード領域のde novoバリアント(DNV)が原因である。本論文では、非コード領域のDNVのCHDへの関与を評価するために、CHD発端者とその両親からなる3人組749組と、非罹患者とその両親からなる3人組1611組のゲノム塩基配列を比較した。非コード領域のDNVが転写に及ぼす影響をニューラルネットワークで予測すると、CHD症例群(n = 2238 DNV)では、対照群(n = 4177 DNV)と比較して、DNVによる影響が大きいことが明らかになった(P = 8.7× 10−4)。独立した解析から、関連遺伝子のエンハンサーに過剰なDNVが存在することが示された(3.7遺伝子に対して27遺伝子が予想される。P = 1 × 10−5)。これらの転写ベースの解析結果には、互いに有意な重なりがあることが見いだされた〔オッズ比(OR) = 2.5、95%信頼区間(CI)1.1~5.0、P = 5.4 × 10−3〕。CHD DNVは、調べた31のエンハンサーのうちの5つにおいて転写レベルを変化させた。また、RNA結合タンパク質調節部位におけるDNVの影響が観察された(OR = 1.13、95% CI 1.1~1.2、P = 8.8 × 10−5)。我々の知見から、CHDの一部では、有害な影響をもたらし得る非コード領域の調節性DNVが存在し、それは、コード領域に観察される有害なDNVと少なくとも同程度に豊富に存在することが示された。

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