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がんゲノム:ヒトがんにおける機能的な進化的依存度の発見

Nature Genetics 52, 11 doi: 10.1038/s41588-020-0703-5

がん細胞は、選択有利性が得られるゲノム変化を保持している。そのような有利な変化を予測し検証することは、がんゲノミクスにおける主要な課題である。さらに、複数の特定の変化が共存していることで、遺伝的かく乱や治療的かく乱への応答がどのように変化するかを理解することが重要である。本論文では、9000を超えるヒト腫瘍において機能の変化を推定して、機能が変化する事象の組み合わせを優先的に選択した。ベイズ推定の手法を使い、2000のがん細胞株についての遺伝的および薬理学的なスクリーニングのハイスループットの読み出しを用いたコンピューターによる予測を検証した。がんにおける相互排他的な変化は個々の標的の阻害の救済を、がんに同時に生じる変化は相乗的相互作用の表現型の救済を可能にする機能的冗長性をそれぞれ反映していて、がん遺伝子への依存を高めていた。最高スコアの依存度の中では、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)サブユニットであるPIK3CAと核内因子NFE2L2の同時変化が、扁平上皮がんにおいて相乗的な進化の軌跡を示した。本研究は、計算的、実験的、臨床的な証拠を統合することにより、がんゲノム変化の機能的影響の組み合わせを研究するためのフレームワークを示すものである。

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