Technical Report

植物ゲノム:非近交系マッピング集団を用いた倍数性植物ゲノムのための全染色体

Nature Genetics 52, 11 doi: 10.1038/s41588-020-00717-7

塩基配列決定技術は進歩しているにもかかわらず、複雑な植物ゲノムのアセンブリーは、その倍数性と反復要素の高い割合のために、分かりにくいものとなっている。今回我々は、遺伝学的連鎖解析によって、コンティグをpseudomoleculeへとグループ化し順序付けするPolyGemblerについて報告する。我々の方法では、アセンブリーのエラーを検出して修正する正確な手法も提供している。シミュレーションデータを用いることによって、我々の方法が高い正確さを備えており、既存の3つの最先端遺伝子マッピングツールより高性能であることを実証することができた。特に、我々の方法は、遺伝子型データの欠落および遺伝子型判定のエラーの存在に対してよりロバストである。我々は、異質4倍体のシバ(芝生)について、PacBioのロングリードを制限酵素関連DNA塩基配列決定法と組み合わせた方法により、pseudomoleculeを構築した。また、倍数体のサツマイモ近縁種Ipomoea trifidaと同質4倍体のジャガイモについては、IlluminaリードをアセンブリーしたコンティグをSNPアレイ(サツマイモ近縁種の場合)あるいは塩基配列決定法(ジャガイモの場合)で遺伝子型判定して得られた遺伝子型データと組み合わせて用いる方法により、pseudomoleculeを構築した。その結果、公開されているI. trifidaゲノムアセンブリーに見られる13のアセンブリーエラーを解消し、公開されているジャガイモゲノム中で場所が確定されていなかった8つのscaffoldの場所を確定させた。

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