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メタボリックシンドローム:CELA2A変異は早発性のアテローム性動脈硬化症やメタボリックシンドロームの罹患率を高め、血漿インスリンや血小板活性化に影響を及ぼす

Nature Genetics 51, 8 doi: 10.1038/s41588-019-0470-3

メタボリックシンドローム形質が集積する要因については、完全には解明されていない。我々は、早発性のアテローム性動脈硬化症やメタボリックシンドロームの極端な表現型を示す血縁者において、全エキソーム塩基配列決定解析を行い、膵臓のエラスターゼであるCELA2A(chymotrypsin-like elastase family member 2A)をコードする遺伝子において新たな機能喪失型変異を特定した。さらに、CELA2Aは循環血中酵素であり、血小板の過剰な活性化を弱め、インスリンの分泌と分解を誘導し、インスリン感受性を高めることを示す。CELA2Aの血漿レベルは、ヒトにおいて食後に上昇し、インスリンレベルと並行して変化する。変異タンパク質によるこれらの機能喪失は、疾患機能についての知見をもたらし、CELA2Aが魅力的な治療標的となる可能性を示唆している。

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