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SNP遺伝率:形質の遺伝的構造を仮定しないバイオバンク規模データからのSNP遺伝率の正確な推定

Nature Genetics 51, 8 doi: 10.1038/s41588-019-0465-0

SNP遺伝率は複雑な形質の研究における基本的な量的尺度である。しかし、ゲノムワイドなSNP遺伝率を推定するための既存の手法は、設定した仮定が破られた場合にバイアスを生じ得ることが最近の研究で明らかになってきている。対立遺伝子頻度/連鎖不平衡(LD)依存性の遺伝的構造を仮定して遺伝率を推定するさまざまなアプローチが提案されているが、文献に報告されているどの推定値が信頼できるものであるかは定かでない。ここでは、遺伝率のモデルを仮定したり対立遺伝子頻度やLDによってSNPを層別化したりすることなく、形質の遺伝的構造を仮定せずにバイオバンク規模のデータからゲノムワイドなSNP遺伝率を正確に推定できることを示す。解析、および実際の遺伝子型データ(英国バイオバンク、N=337,000)を使用した大規模なシミュレーションを通じて、我々の閉形式推定量が、既存の手法とは異なり、広範な遺伝的構造にわたってロバストであることを実証する。また、英国バイオバンクにおける22の複雑な形質についてSNP遺伝率の推定値を提示し、シミュレーションの結果と一致して、バイオバンク規模の既存の手法によって得られた推定値は、我々の理論的に正当なアプローチで得られた値とは最大30%の違いがあることを明らかにする。

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