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心血管系疾患:静脈血栓塞栓症のゲノムワイド関連解析から明らかになった新たな関連リスク座位と動脈疾患との遺伝学的重複

Nature Genetics 51, 11 doi: 10.1038/s41588-019-0519-3

静脈血栓塞栓症は病死の原因として大きな割合を占めるが、その遺伝学的な決定要因については完全には解明されていない。我々は、MVP(Million Veteran Program)と英国バイオバンクにおいて、ゲノムワイド関連研究の発見段階の研究を行い、静脈血栓塞栓症と関連する約1300万のDNA配列バリアントについて解析した(2万6066症例と62万4053対照群)。さらに、両研究のメタ解析を行い、さらに、最大で1万7672例の静脈血栓塞栓症と16万7295例の対照群について、独立した研究として再現性解析を行った。我々は、これまでに知られていなかった22の座位を特定して、静脈血栓塞栓症関連座位の総数を33と増やし、その後、これらの関連座位の詳細マッピングを行った。静脈血栓塞栓症のゲノムワイドな多遺伝子リスクスコアを算出し、静脈血栓塞栓症発症のリスクとしてよく知られた第V因子のライデンp.R506Q変異およびプロトロンビンのG20210A変異の保持者と同等のリスクを持つ5%の集団を同定した。我々のデータは、静脈血栓塞栓症の遺伝疫学的メカニズムについて洞察をもたらし、静脈と動脈の心血管疾患は、これまでに考えられていたよりも大きな重複があることを示唆している。

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