Analysis

神経科学:1万9629人のゲノムワイド関連解析により、脳領域ごとの容積に影響するバリアントを特定し、認知機能や精神衛生の形質と関連する遺伝学的構造の共通性に関する理解を改善する

Nature Genetics 51, 11 doi: 10.1038/s41588-019-0516-6

ヒト脳容積の大きさの違いは遺伝性であり、脳に関連した多くの複雑な形質と結び付いている。今回我々は、英国バイオバンクに登録された1万9629人の被験者のサンプルを用いて、101種類の脳容積表現型についてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。その結果、有意な閾値である4.9 × 10−10を超えるものとして、365個の独立した遺伝的バリアントを特定した。この閾値は、複数の表現型を調べるための補正が適用済みである。遺伝子に基づく関連研究では、157の関連遺伝子(そのうち124が新規)が見つかり、機能的遺伝子マッピング解析では、追加で146の遺伝子との関連が見つかった。得られた遺伝子や遺伝的バリアントの多くは、認知機能や精神衛生に関する形質に関与することが知られていた。ゲノムワイドの多遺伝子リスクスコア予測により、他の4つの独立した研究における表現型分散(P = 3.13 × 10−24)の6%以上が、今回の英国バイオバンクGWASの結果で説明できた。結論として、我々の研究は、バリアントや座位や遺伝子レベルで多くの新たな遺伝的関連を明らかにし、脳容積と他の形質の間に見られる多面的関連と遺伝学的構造の共通性に関する理解を進展させた。

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