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腎尿路疾患:先天性腎尿路異常のコピー数多様性の全体像

Nature Genetics 51, 1 doi: 10.1038/s41588-018-0281-y

先天性腎尿路異常(CAKUT)は小児腎不全の主な原因である。本論文では、症例2824例と対照2万1498例において、コピー数バリアント(CNV)のゲノムワイド解析を行った。罹患者は、エキソンの(つまり、コード領域に影響を及ぼす)まれなCNVを有意に多く持ち、また、既知のゲノム疾患(GD)が豊富に見られた。腎奇形(KA)症例にはエキソンCNVが最も豊富に見られ、これにはGD-CNVや新規の欠失が含まれていた。閉塞性尿路疾患(OU)で見られるCNVの量は多くなく、GD-CNVの保有率は中間的であった。膀胱尿管逆流症(VUR)で見られるGD-CNVは最も少なかったが、新規エキソンCNV(特に重複)は豊富に見られた。6座位(1q21、4p16.1-p16.3、16p11.2、16p13.11、17q12、22q11.2)が、GD-CNVを持つCAKUT症例の65%を占めた。17q12、4p16.1-p16.3、22q11.2の欠失はKAに特異的であり、16p11.2座位は大規模な多面発現を示した。総合的手法を用いることで、TBX6が16p11.2微小欠失症候群におけるCAKUT表現型のドライバーであることが明らかになった。

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