Article

遺伝率:近縁度不平衡回帰は環境バイアスなしに遺伝率を推定する

Nature Genetics 50, 9 doi: 10.1038/s41588-018-0178-9

遺伝率は、遺伝的に継承される形質のばらつきの割合を示す値である。遺伝率の測定は、「氏か育ちか」という論争にとって重要である。しかし、既存の遺伝率の推定値には、環境効果によるバイアスが存在する可能性がある。本論文では、遺伝率を推定する新規の方法である「近縁度不平衡回帰(RDR:relatedness disequilibrium regression)を紹介する。RDRは、無作為なメンデル型分離が示す近縁度のばらつきを利用することによって、環境バイアスのほとんどの供給源を回避する。遺伝子型が判明している両親を持つ5万4888人のアイスランド人試料を用いて、身長(55.4%、s.e. 4.4%)や学歴(17.0%、s.e. 9.4%)を含む、14形質の遺伝率を推定した。我々の結果から、他の遺伝率推定値の中には、環境効果によって値が高められている可能性があるものがあることが示唆された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度