Article

トウモロコシ:トウモロコシW22系統のゲノムは機能ゲノミクスとトランスポゾン生物学の基礎を提供する

Nature Genetics 50, 9 doi: 10.1038/s41588-018-0158-0

トウモロコシW22近交系は、トウモロコシ遺伝学の基盤となる系統として20世紀半ばから用いられている。トウモロコシのゲノム解析を効率的に行えるようにするため、我々はショートリード塩基配列決定技術を用いて配列決定およびde novoアセンブリを行うことにより、W22の参照ゲノム配列を構築した。そして、B73参照ゲノムとの比較により有意な構造異質性の存在を明らかにし、その異質性が、トランスポゾン組成やコピー数多様性から一塩基多型までの複数のレベルにわたることを明らかにした。この参照ゲノムの生成により、MutatorMu)やDissociationDs)転位因子の何千もの挿入位置を正確に求めて、逆遺伝学研究や順遺伝学研究に用いることができるようになる。また、オープンリーディングフレーム、オープンクロマチンサイトおよびDNAメチル化プロファイルを位置付けるため、それぞれRNA-Seq解析、ディファレンシャルヌクレアーゼ感受性プロファイリング、バイサルファイト塩基配列決定技術を用いて、ゲノムのアノテーションを行った。今回開発したリソースは、W22の情報を参照ゲノムとしてまとめ、機能ゲノミクスに利用できるようにしたものであり、トウモロコシのパンゲノムの基礎を提供するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度