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心房細動:心房細動の多民族全ゲノム関連解析

Nature Genetics 50, 9 doi: 10.1038/s41588-018-0133-9

全世界で3300万人を超える人々が罹患している心房細動(AF)は、複雑な遺伝性を示す。本研究では6万5446人のAF患者を含む50万人以上を対象に、AFのゲノムワイド関連解析(GWAS)の現時点で最大規模となるメタ解析を実施した。AFと有意な関連を有する計97の座位が同定された。そのうち67座位は多民族解析で同定された新規座位であり、3座位はヨーロッパ系のみを対象とした解析で同定された新規座位である。これらのGWAS座位にあるAF関連遺伝子を同定する目的で、AFと最も関連が深い組織である左心房の101検体について、RNA-seq解析および発現量的形質座位解析を行った。また、全トランスクリプトーム解析により57のAF関連遺伝子が同定され、そのうち42遺伝子はGWAS座位に位置していた。遺伝子セットエンリッチメント解析によれば、同定された座位は、心臓の発生、電気生理、心筋収縮、および構造に関係した生物学的経路に関与していた。これらの結果は、AFの基盤にある生物学的経路に関する理解を広げ、治療薬の開発を促進し得るものである。

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