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遺伝性がん症候群:クレブス回路の欠損による遺伝性がん症候群は、DNA相同組換え修復の異常によって特徴付けられる

Nature Genetics 50, 8 doi: 10.1038/s41588-018-0170-4

遺伝性平滑筋腫症–腎細胞がん(HLRCC)症候群およびコハク酸デヒドロゲナーゼ関連遺伝性パラガングリオーマ–褐色細胞腫(SDH PGL/PCC)症候群は、いずれも遺伝性がん症候群である。それぞれ、クレブス回路の酵素であるフマル酸ヒドラターゼおよびコハク酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の生殖細胞系列機能喪失変異が原因で、フマル酸あるいはコハク酸のレベルが上昇する。本論文では、フマル酸とコハク酸がいずれも、DNA二本鎖切断(DSB)の修復に関わりゲノムの維持に必要な相同組換え(HR)修復経路を抑制すること、さらには、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬を用いた合成致死誘導に対する腫瘍細胞の感受性を高めることを報告する。これらの結果は、HLRCCおよびSDH PGL/PCCが家族性DNA修復欠損症候群であることを明らかにし、がんへの素因となる機構を説明し、さらに、転移を起こせば治癒不能となる進行したHLRCCおよびSDH PGL/PCCに対する有望な治療アプローチを示唆するものである。

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