Technical Report

3Dゲノム:DLO Hi-Cは染色体のコンホメーション捕捉のための効率的で費用対効果に優れた方法である

Nature Genetics 50, 5 doi: 10.1038/s41588-018-0111-2

染色体のコンホメーションを捕捉する(3C)技術を用いて、3Dゲノム構造を調べることができる。しかし、現在の方法では、背景ノイズが高いこと、費用が高いこと、ノイズ評価が簡単でないことが、3Dゲノム研究の進展を遅らせている。本論文では、ゲノムの3Dの全体像を探索する方法として、DLO Hi-C(digestion-ligation-only Hi-C)というシンプルな技術を開発した。この方法では、クロマチンの制限酵素による切断と連結を2回繰り返すだけでよく、ビオチン標識やプルダウンアッセイを行う必要はない。連結されなかったDNAは、特定のリンカーを連結したDNA断片を純化することによって、費用対効果に優れたやり方で効率的に除去できた。また、塩基配列決定法を行う前の早期の段階で品質チェックを行い、ランダムな連結を迅速に評価できることは重要である。さらに、4塩基カッターの制限酵素を用いるDLO Hi-Cのin situ版を開発した。我々は、THP-1細胞およびK562細胞のゲノム構造を解明するためにDLO Hi-Cを適用し、染色体転座があることを明らかにすることができた。この技術はゲノム構成、遺伝子調節、および(メタ)ゲノムのアセンブリの研究を促進する可能性がある。

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