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神経膠芽腫:染色体および染色体外のDNA配列の遺伝における不均一性が神経膠芽腫の動的な疾患進化に関与する

Nature Genetics 50, 5 doi: 10.1038/s41588-018-0105-0

本論文では、神経膠芽腫(GBM)のゲノム不均一性が治療に対する反応不良に関与する仕組みを理解するために、GBM試料と、GBM試料由来のニューロスフェアや同所異種移植モデルについて、DNAおよびRNAの塩基配列決定を行った。結果として得られたデータセットを用いて、一塩基バリアント、局所のDNA変化、染色体外DNA(ecDNA)エレメントでのがん遺伝子増幅を含む体細胞性ドライバー変異の大部分が、腫瘍からモデル系まで受け継がれていることが明らかになった。いくつかの例では、ecDNAや染色体の変化から、細胞培養や異種移植の際に異なる遺伝パターンやクローン選択動態が示された。我々は、ecDNAが子孫細胞に不均一に受け継がれており、この特徴がecDNAをより多量あるいは少量持つ細胞の発がん性に影響を及ぼすと推測している。患者腫瘍の長期的なプロファイリングから、発がん性ecDNAは、疾患の全経過にわたって保持される頻度が高いことが分かった。我々の解析から、染色体外配列は、染色体DNAの変化とは独立に、GBM進化におけるゲノム不均一性を急速に高められることが示された。

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