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前立腺がん:前立腺がんの配列解読から新たながん遺伝子、プログレッションの過程、薬剤標的を同定

Nature Genetics 50, 5 doi: 10.1038/s41588-018-0086-z

前立腺がんは予後予測が難しく、進行するとしばしば命に関わるので、克服しなければならない臨床上重要な疾患の1つである。今回、原発性および転移性の前立腺がんの112の試料について、全ゲノム配列決定を行った。これらのがん試料とこれまでに解析された総計930の試料のデータを統合解析し、コード領域に変異を持つ22の遺伝子が新たなドライバー遺伝子候補となる証拠を見つけた。また、NEAT1およびFOXA1が非コード領域の変異を介してドライバーとして機能する証拠も見つけた。そして、がん細胞に生じるゲノム変異を経時的に詳細に解析し、前立腺がんの進展段階に特異的に関係するドライバー変異を特定した。例えば、CHD1およびBRCA2の欠失は、ETS融合陰性がんのがん化に際しての初期変化であることを見つけた。さらに前立腺がん変異について、コンピューターを用いたケモゲノミクス解析(canSAR)を行い、承認薬の11の標的、治験薬の7の標的、および生理活性を期待できる将来の治験薬候補となるべき化合物の62の標的を明らかにした。

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