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2型糖尿病:高密度インピュテーションと膵島特異的エピゲノム地図を用いて単一バリアントレベルの分解能で2型糖尿病座位を精細にマッピングする

Nature Genetics 50, 11 doi: 10.1038/s41588-018-0241-6

ヨーロッパ系の89万8130人〔9%の2型糖尿病(T2D)症例を含む〕に関するデータを統合し、高密度参照パネルを用いてインピュテーションを行うことにより、T2DのGWAS発見段階を拡大した。これらのデータにより、以下の結果が得られた。(i)T2Dリスクバリアントの目録を拡張した(リスクバリアント243座位、そのうちの135座位は新しくT2Dの素因に関係することが分かった。これらは403の関連シグナルから構成される)。(ii)低頻度リスク対立遺伝子が豊富に同定された(マイナー対立遺伝子頻度が < 5%のインデックスバリアントが80、推定対立遺伝子オッズ比が> 2のバリアントが14発見された)。(iii)原因バリアントの精細マッピングが大幅に改善した〔51のシグナルについて原因バリアントが1つに絞り込めた(関連の事後確率であるPPAが> 80のシグナル)〕。(iv)組織特異的なエピゲノム情報の統合により精細マッピングを拡張した(膵島の調節に関するアノテーションにより、PPAが> 80%のバリアントの数が73に増加)。(v)治療標的の検証を行った(18の遺伝子がコードバリアントで関連を示した)。(vi)臨床へのトランスレーションの可能性が上昇した(ゲノムワイドなSNP遺伝率はT2Dリスクの18%を説明し、T2D多遺伝子性リスクスコアが両極端な値である人の間では有病率が9倍以上異なっていた)。

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