Perspective

遺伝率:SNPに基づく遺伝率の概念、推定、解釈

Nature Genetics 49, 9 doi: 10.1038/ng.3941

狭義の遺伝率(h2)は、重要な遺伝的パラメーターの1つで、ある形質に関する表現型のばらつき(分散)のうち、全原因バリアントに基づく相加的な遺伝的バリエーションに起因するばらつきの割合を表す。h2の推定はこれまで、近親者のデータに基づいて行われていたが、最近になって、従来法では血縁関係のないとされる被験者に対して、ゲノムワイド関連解析(GWAS)で用いられた全SNPに基づくばらつき、すなわちSNPに基づく遺伝率(h2SNP)の推定が可能になっている。本Perspectiveでは、最近考案した、複雑形質(および形質間の遺伝相関)のh2SNPを推定する方法について論じる。この方法では、個人のデータ、あるいはGWASのサマリーデータを用いて行われる。さらに、 ĥ2SNPの精度を左右する可能性のある問題点、モデルの定義、前提、解釈、そして、方法の誤用やモデルおよび結果に対する解釈の誤りといった、陥りやすい問題を検討する。

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