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冠動脈疾患:偽陽性率を基盤とする関連解析によって、新しい冠動脈疾患座位が示される

Nature Genetics 49, 9 doi: 10.1038/ng.3913

本解析を行った時点では、冠動脈疾患(CAD)のゲノムワイド関連研究(GWAS)により、「ゲノムワイドな有意水準」(P < 5 × 10−8)での関連が66座位で見つかっているが、偽陽性率(FDR)を5%にするとはるかに多くの推定座位が得られることが分かっている。本論文では、英国バイオバンク(UKBB)データの中間発表を利用して、FDR手法の有効性を評価した。最新の2つのCAD GWASを用いて、狭心症を含むCAD表現型(SOFT:n症例 = 1万801)と狭心症を含まないより厳密な定義のCAD表現型(HARD:n症例 = 6482)を検証し、次に、SOFTから選抜した症例に対してメタ解析を行った。この手法により、ゲノムワイドな有意水準で13の新規座位が同定された。このうちの12座位は我々のこれまでの座位リストで、5% FDRの閾値に含まれるものであり、このことから、FDRにより同定された残りの座位が真のシグナルであることが強く裏付けられた。この研究において5% FDRで関連する独立した304個のバリアントにより、CADの遺伝率の21.2%が説明され、また、脂質代謝、一酸化窒素シグナル伝達、炎症、血管形態形成の経路に関与する243座位が明らかになった。

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