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アデノウイルスベクター:野生型AAV2ゲノムの3′非翻訳領域における肝特異的エンハンサー–プロモーター活性の同定

Nature Genetics 49, 8 doi: 10.1038/ng.3893

2型アデノ随伴ウイルス(AAV2)に由来するベクターは、遺伝子導入およびゲノム編集のための強力なツールとして利用されている。近年、ヒトでの臨床試験、とりわけ血友病Bの患者における治療効果が報告されていることから、AAV2ベクターに対する関心は急速に高まっている。しかしながら、最近になってAAV2ゲノムの挿入とヒト肝細胞がん(HCC)との関連性を示唆する報告がなされ、それが実際にAAV2に起因するものであるのか、それとも偶発的な事象であるのか、AAVベクターの安全性に関する議論を呼び起こしている。今回我々は、野生型AAV2ゲノムにおける、これまで知られていなかった肝特異的なエンハンサー–プロモーターエレメントとその機能について報告する。この配列は、キャプシドタンパク質をコードするcap遺伝子の終止コドンと、右側逆方向末端反復配列の間の124塩基配列であり、HCC症例で挿入が認められた163塩基配列のAAVゲノム共通配列内に位置している。この共通領域は、既知のHCCドライバー遺伝子の発現調節の異常に関連していることが知られており、それゆえ、我々の結果は、AAVゲノム挿入とHCCの多因子疾患の病因機序との間の関連性についてさらなる知見を提供するものである。

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