Letter

肺がん:大規模関連解析による新規肺がん感受性座位の同定ならびに組織学的サブタイプ間にみられる遺伝的感受性の異質性の同定

Nature Genetics 49, 7 doi: 10.1038/ng.3892

いくつかの肺がん感受性座位が同定されているが、肺がんの遺伝率の大部分は依然として説明がついていない。本研究では、ヨーロッパ系の14,803人の肺がん症例および12,262人の対照についてOncoArrayにより遺伝子型を決定し、29,266人の症例および56,450人の対照のゲノムワイド関連解析(GWAS)により集積された既存データとあわせて解析を行った。ゲノムワイドの有意性を示す18の感受性座位が同定され、そのうち10は新規な座位であった。これら新規な座位のうち4つは肺がん全般に関連し、6つは肺腺がんに関連していた。この結果は、肺がんの組織学的サブタイプ間にみられる遺伝的感受性の顕著な異質性を示している。1,425の正常肺組織検体を対象とした発現量的形質座位(eQTL)解析の結果から、RNASET2SECISBP2LNRG1が候補遺伝子と予測される。それ以外に、ニコチン性コリン作動性受容体遺伝子CHRNA2、テロメア関連遺伝子OBFC1およびRTEL1なども候補遺伝子として挙げられる。これらの遺伝子の研究を進めることにより、肺がんの発症メカニズムに関する新しい知見が引き続き得られるであろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度