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転写:停留したRNAポリメラーゼIIは新しい転写開始を抑制する

Nature Genetics 49, 7 doi: 10.1038/ng.3867

RNAポリメラーゼII(Pol II)は、転写産物の伸長が開始する前に、転写開始部位の下流に停留する。この停留は、後生動物の遺伝子発現調節において重要な仕組みの1つとなっている。プロモーターの中には、Pol IIが停留しやすいものがあり、多くの場合これらのプロモーターは、迅速かつ同期した発現の変化を仲介している。こうした発現の変化には、多くの回数の転写が起こることが必要なので、発現の変化が停留の解除のみに依存しているわけではないだろう。とはいえ、停留が、何回も連続して起こる転写の際に新しい転写産物の開始にどのように影響を及ぼしているのかはよく分かっていない。本論文では、我々の最近開発したChIP-nexus法を用いて、Pol IIの停留が、新しい転写開始を抑制することを発見したので報告する。我々は、停留したPol IIが、ある転写バーストと次の転写バーストの間で新しい転写開始を抑制するのに役立っており、これがノイズを減少させる可能性があると提案する。

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