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遺伝率:ヒトの複雑形質におけるSNP遺伝率の再評価

Nature Genetics 49, 7 doi: 10.1038/ng.3865

SNP遺伝率は、SNPによって説明される表現型分散の割合であり、何百もの形質について報告がなされている。SNP遺伝率の推定には、ゲノム全域の遺伝率の分布についてのしっかりとした事前仮定が必要となるが、現在用いられている仮定に対する検証が十分になされているわけではない。我々は、多数のヒト形質について、インピューテーションによる補完により得たデータを用いて解析し、遺伝率がマイナー遺伝子頻度(MAF)、連鎖不平衡(LD)、遺伝子型確実性の影響でどのように変化するかをより正確に示すことのできる経験的モデルを作成した。19の形質について、我々の改良モデルが推定した一般的SNP遺伝率は、広く用いられているソフトウェアGCTAから得られるSNP遺伝率より、平均43%(s.d. 3%)高く、また、最近提案された拡張GCTA-LDMSから得られるSNP遺伝率より25%(s.d. 2%)高い。これまでにDNアーゼI高感受性部位がSNP遺伝率の79%を説明すると報告されているが、我々の改良遺伝率モデルを用いると、その関与は24%にすぎないと推定される。

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