Analysis

被子植物:被子植物の最新共通祖先のゲノムを復元する

Nature Genetics 49, 4 doi: 10.1038/ng.3813

本論文では、現生被子植物の95%に相当する現生の単子葉類と真正双子葉類について、その「最も近い共通祖先」(MRCA)のゲノムを復元したことを示す。そこには、現代の作物に保存されている祖先遺伝子2万2,899種類が含まれている可能性がある。そのMRCAは、種間(高速進化系統と低速進化系統)、サブゲノム間(重複前ブロックと重複後ブロック)、ゲノム区画間(安定な座位と変化しやすい座位)、遺伝子間(祖先遺伝子と種特異的遺伝子)、機能間(獲得オントロジーと喪失オントロジー)の入り組んだ進化的可塑性、すなわち作物が倍数体として成功する原動となった変異を導いた力というものを解読するための出発点となる。MRCAの遺伝子に基づいて被子植物の進化年代を推測すると、最古の化石記録より以前、後期三畳紀に当たる2億1,400万年前に出現したことが示唆された。このMRCAは、モデル種から作物へとゲノムのトランスレーショナル研究を進める上で、重要となる農業形質を分析するためのまたとないリソースとなるものだ。

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