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神経発達障害:標的塩基配列決定から自閉症や発達障害に偏りを示す91の神経発達障害リスク遺伝子が明らかになる

Nature Genetics 49, 4 doi: 10.1038/ng.3792

遺伝子を破壊する変異は神経発達障害(NDD)の生物学的性質に関与するが、その変異に関係する病因遺伝子についての解析はほとんど進んでいない。本論文では、11,730例を超えるNDD症例と2,867例を超える対照において、208の候補遺伝子の塩基配列決定を行い、NDDに関連する91の遺伝子を明らかにしたので報告する。5.7%の症例において、これらの遺伝子に過剰なde novo変異が存在したり、遺伝子の破壊を引き起こすプライベート変異(その1家系にしか見られない変異)が存在したりした。また、これらのうち38の遺伝子は新規NDD遺伝子であった。ショウジョウバエ(Drosophila)での機能解析から、NDDへの関与が強く示唆される遺伝子サブセットを明らかにすることができた。25の遺伝子が知的障害や自閉症の傾向を示すものであることが明らかになり、また、高機能自閉症(全検査IQ>100)と関連するネットワークが浮き彫りになった。NAA15KMT5BASH1Lについての表現型を追跡することにより、疾患の新しい症候群型と非症候群型が浮かび上がってきた。

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