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プロモーター:プロモーターの型は集団によって多様であり、プロモーターの進化や発現ノイズに影響を及ぼす

Nature Genetics 49, 4 doi: 10.1038/ng.3791

動物のプロモーターは、正確な地点からか(絞り込み型プロモーター)、あるいは分散した領域からか(広範囲型プロモーター)、そのどちらかから転写を開始するので、この型の違いによりプロモーターを区別できる。プロモーターは高度に保存されているが、型によるプロモーターの機能の違いや、それぞれが進化してきた過程の遺伝学的基盤は解明されていない。本論文では、ショウジョウバエ(Drosophila)の天然の遺伝的バリエーションである81系統の集団において、転写開始部位(TSS)の利用の違いを測定し、転写産物レベル(強度)あるいはプロモーター内のTSSの分布(型)に影響を及ぼす何千もの遺伝学的バリアントを明らかにした。我々の結果から、プロモーターの型はプロモーター強度とは独立に進化できる分子的形質であることが分かった。広範囲型プロモーターは典型的には、型に関連するバリアントを含み、適応選択のシグネチャーを示す。単一細胞での測定から、プロモーターの型を変化させるバリアントは発現ノイズを増加させることが多いが、他のプロモーターバリアントとのヘテロ対立遺伝子性相互作用がこれらの効果を減弱することが示された。これらの結果から、天然のプロモーターの新しい機能特性が明らかになり、また、発現ノイズを最小にすることがプロモーター進化の重要な要因であると考えられた。

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