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在来種:トウモロコシ在来種における開花期の適応に内在する対立遺伝子の多様性に関する研究

Nature Genetics 49, 3 doi: 10.1038/ng.3784

栽培種としての在来種(従来の品種)には、有用な遺伝的バリエーションが維持されているが、いくつかの有用な対立遺伝子とたくさんの好ましくない対立遺伝子間の遺伝的連鎖のため、それらは未利用のままとなっている。我々は2つのアプローチを統合して、トウモロコシの4,471在来種に見られる多様性の特徴付けを行った。まず我々は緯度と高度の適応を制御するゲノム領域をマッピングすることにより、1,498の遺伝子を同定した。次に我々はF-oneアソシエーションマッピング(FOAM)を用いて、22種類の環境に関して開花期を制御する遺伝子をマッピングし、1,005の遺伝子を同定した。総合すると、高度に関連する一塩基多型(SNP)の61.4%が開花期にも関連していることが分かった。高度に関連するSNPの半数以上は、大きな構造変化(逆位、セントロメア、セントロメア周辺領域)内に存在していた。この2つのマッピングを合わせた解析により、花の調節ネットワーク遺伝子は野外環境における多様性に大きく貢献しているが、寄与する遺伝子の90%以上はおそらく間接的な効果を持つものだろうということが示唆された。この2つのアプローチを用いる解析法は、植物および動物の在来種の多様性を活用していく上で役に立つ方法である。

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