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性染色体:鳥類のWおよび哺乳類のY染色体は収斂進化により遺伝子量感受性制御を持つに至った

Nature Genetics 49, 3 doi: 10.1038/ng.3778

鳥類と哺乳類の分岐後、それぞれの系統で性染色体が誕生したが、それらの性染色体は異なる起源の常染色体から進化したものである。鳥類の性染色体は雌がZW、雄がZZ、哺乳類はXXとXYである。ニワトリのW染色体の塩基配列を解読し、その遺伝子構成について、我々が再構築した祖先常染色体と比較した、W連鎖の祖先遺伝子が、広く鳥類でどのように進化の軌跡をたどったかを探った。鳥類のW染色体と哺乳類Y染色体は並行進化であり、細胞過程の重要な調節因子遺伝子を広範に発現し、その遺伝子量が維持されるような選択圧が働くことで祖先遺伝子が保たれていることが分かった。我々は、ニワトリのW染色体は、ヒトのY染色体のように、異型配偶子による生殖を行う胚の生存に必須であると考えている。配列解読した他の性染色体と異なり、ニワトリのW染色体では、生殖系の組織に特異的な遺伝子の獲得や増幅が見られない。性染色体が生殖に関連する遺伝子を獲得するのは、雄の生殖細胞系列に特異的に働く選択圧なのではないかと推論する。

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