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がん転移:CYP19A1増幅の獲得はERα陽性の転移性乳がんにおけるアロマターゼ阻害薬抵抗性の初期に特徴的なメカニズムである

Nature Genetics 49, 3 doi: 10.1038/ng.3773

腫瘍の進化は多くの変数の影響を受けるが、治療により引き起こされる外的選択圧もその変数に含まれうる。術後、エストロゲン受容体(ERα)陽性の乳がん患者はアジュバント内分泌療法を受けるが、これにはSERM(selective estrogen receptor modulator)やアロマターゼ阻害薬(AI)などが用いられる。しかし約20%の患者は10年以内に再発し、遂には不治の転移を患うことになる。本研究では、治療法選択が、再発した疾患の遺伝的特徴に根本的な影響を及ぼすことを明らかにする。AI治療を受けたが再発した患者の21.5%は、CYP19A1(アロマターゼをコードする遺伝子)の増幅(CYP19A1amp)を獲得していた。また再発患者は、ESR1CYP19A1といった重要な乳がん関連遺伝子を標的とする突然変異も数多く獲得していた。CYP19A1amp細胞は試験管内でも出現するが、それはAI抵抗性のモデルにおいてのみであることは注目すべき結果である。CYP19A1増幅はアロマターゼ活性、および標的遺伝子へのエストロゲン非依存性のERα結合を増加させ、そのためCYP19A1amp細胞のAI治療に対する感受性が低下するに至る。これらのデータは、AI治療そのものがCYP19A1amp獲得を選択し、AI抵抗性転移を持つ患者での局所的オートクリンエストロゲンシグナル伝達を促進することを示す。

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