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がん転移:膵がんプログレッションの過程でのエピゲノムの再プログラム化がグルコース代謝同化反応を遠隔転移に結び付ける

Nature Genetics 49, 3 doi: 10.1038/ng.3753

膵管腺がん(PDAC)プログレッションの過程では、不均一なサブクローン集団が出現し、原発腫瘍の増殖、領域伝播、遠隔転移、患者の死亡を引き起こす。しかし、転移の遺伝的性質は未治療の患者の原発腫瘍の遺伝的性質を大きく反映しており、またPDACのドライバー変異はすべてのサブクローンに共有されている。このことから転移の過程では、エピジェネティックな過程が作用している可能性が考えられる。本論文では、遠隔転移の自然進化の過程でクロマチン修飾の大規模な再プログラム化が起こることを報告する。変化はゲノム全体にわたる数千個の大規模なクロマチンドメインを標的としている。これらのドメインにはユークロマチンやLOCK〔large organized chromatin histone H3 lysine 9(H3K9)-modified〕ヘテロクロマチンが含まれており、まとめて悪性形質を指定している。遠隔転移はペントースリン酸経路の酸化的段階(oxPPP)に依存して共進化しており、またoxPPP抑制により、再プログラム化されたクロマチン、悪性遺伝子発現プログラム、腫瘍形成が選択的に回復した。これらの知見から、遠隔転移の進化の過程では、腫瘍形成の適応度を上昇させるために、代謝プログラムとエピジェネティックなプログラムの共役が選択されるというモデルが考えられる。

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