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心疾患:エキソーム塩基配列決定によって同定された症候性および非症候性の先天性心疾患の異なる遺伝学的構造

Nature Genetics 48, 9 doi: 10.1038/ng.3627

先天性心疾患(CHD)の新生児における発生率は0.8~1%である。ヒトおよびマウスにおいて単一遺伝子疾患としてのCHD症例が豊富に見られるにもかかわらず、同胞におけるCHDの絶対的再発リスクは低いことから(約2.7%)、de novo変異(DNM)や不完全浸透の果たす役割が大きいと考えられる。de novoのタンパク質短縮型バリアント(PTV)は、心外性兆候が見られる「症候性」患者の10%に豊富に見られることが示されている。本論文では、症候性CHD(S-CHD、n=610)と非症候性CHD(NS-CHD、n=1,281)の両方を含む、1,891人の発端者のエキソーム塩基配列を決定した。S-CHDでは、既知のCHD関連遺伝子のde novo PTVが有意に豊富に存在したが、遺伝性PTVはあまり見られないことが確認され、これは最近の知見と一致していた。逆に、NS-CHDでは、非罹患の両親から受け継いだCHD関連遺伝子のPTVが有意に豊富に観察された。我々は、CHD4CDK13PRKD1de novo変異によって引き起こされるゲノムワイドな有意水準に達する3つのS-CHD疾患を明らかにした。我々の研究は、S-CHDおよびNS-CHDに見られる低い同胞再発リスクを導く基盤として、両者間で異なる遺伝学的構造が存在する証拠を明らかにした。

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