Technical Report

eQTL:複数の組織での遺伝子発現実験のためのテンソル分解

Nature Genetics 48, 9 doi: 10.1038/ng.3624

遺伝子発現形質やその他の細胞の表現型についてのゲノムワイド関連研究は、遺伝的多様性と生物学的過程との関係を同定する上でよい方法となっている。このような研究での大半の発見では、シス発現量的形質座位(eQTL)がSNPのマス単変量検定によって単一の組織内の遺伝子発現に対して影響することを明らかにしている。今回我々は、遺伝子ネットワークを遺伝的多様性に結びつけることを目指し、複数の組織での実験に対するベイズ法について報告する。我々の方法では、遺伝子発現測定の3次元配列(すなわちテンソル)を一連の潜在成分に分解する。そして、遺伝子ネットワークが疎であるかどうかを同定し、それによって、遺伝的バリエーションに対する関連をゲノム全体にわたって検定する。本手法を、TwinsUKコホートからの845人分のデータセットに適用した。このデータセットには、脂肪細胞、リンパ芽球様細胞株(LCL)、皮膚におけるRNA-Seqで測定された遺伝子発現データが含まれている。この解析により、いくつかの遺伝子ネットワークについて、遺伝的な基盤や明快な生物学的および統計的な有意性に関して明らかにした。この手法を拡張すれば、異なるオミックス手法、環境、表現型データセットを融合することが可能になる。

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