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大中東地域:疾患遺伝子のさらなる発見を目的とした、大中東地域における遺伝的多様性の特性解析

Nature Genetics 48, 9 doi: 10.1038/ng.3592

大中東地域(GME)は古来、ヒトの移住および集団の混合の中心となってきた。ペルシャ湾地域、北アフリカ、中央アジアでは、伝統的に近親婚がさまざまな形式で行われており、その結果、劣性遺伝性疾患が多く見られる。今回、大中東地域集団に属し、血縁関係にない1,111人由来の全エクソームデータをもとに、この地域集団のバリオームを作成した。かなりの遺伝的多様性および遺伝的混合が、大陸集団および大中東地域の部分集団に見つかり、それらの集団は、ボトルネックについての証拠がほとんどない、いくつかの古代創始者集団に相当するものである。大中東地域における近親婚率を測定すると、他のサンプル集団よりも1桁上回っていた。そして大中東地域集団においては、ホモ接合性連続領域(ROH)の増加が観察された。しかし、古くから論じられているような「遺伝的排除」による有害な遺伝的変異の減少を示す証拠は見つからなかった。大中東地域集団における未知の劣性遺伝性疾患についての検討にこのバリオームデータベースを用いると、疾患原因バリアントの候補数を4〜7倍下げることができた。今回の研究結果は、大中東地域集団がさまざまな遺伝的構成をとることを明らかにし、ヒトのメンデル遺伝学および集団の遺伝学的解析における今後の疾患遺伝子発見を後押しするものである。

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