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スーパーエンハンサー:ヒト上皮がんにおけるゲノム増幅領域の細胞系列特異的スーパーエンハンサーを同定

Nature Genetics 48, 2 doi: 10.1038/ng.3470

全ゲノム解析の手法によって、がんで頻発する非コード領域の体細胞変異の同定が行われている。今回、12種類の腫瘍についての体細胞コピー数変異解析と組織特異的エピジェネティックプロファイリングとを組み合わせることで、配列増幅の集中するゲノム領域がスーパーエンハンサーを含んでいる部位を同定した。その結果、KLF5USP12PARD6BMYC近傍のスーパーエンハンサー含有非コード領域のコピー数増加は、これらのがん関遺伝子の過剰発現と関連していた。そして、肺腺がんや子宮内膜腺がんにおいて、MYCの3'側に存在するスーパーエンハンサーの増幅領域(それぞれMYC-LASEおよびMYC-ECSE)が、MYCプロモーターと物理的に相互作用し、MYCの過剰発現に相関することが分かった。CRISPR/Cas9系を用いてMYC-LASE領域に存在するエンハンサー成分の1つを抑制するか削除すると、MYCやその標的遺伝子の発現が大幅に低下し、発がん能の1つである足場非依存性およびクローン性増殖が損なわれた。今回の研究結果は、スーパーエンハンサー領域のゲノム増幅が、複数の種類のがんにおいてがんドライバー遺伝子を活性化する一般的な機序であることを示唆するものである。

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