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マイクロRNA:マイクロRNAの機能的なターゲティングのための一般的な規則

Nature Genetics 48, 12 doi: 10.1038/ng.3694

マイクロRNA(miRNA)のターゲティングが機能するための規則については、その生物学的な重要性にもかかわらず、統一的な見解が得られていない。これは、miRNAとその標的mRNAの間で生じうる相互作用の種類(部位タイプと呼ばれる)には天文学的な数があるにもかかわらず、その中のごく一部の部位タイプしか検討されていないからである。機能的な部位タイプを系統的に見つけ出して、これまでに報告されている矛盾のある規則を評価するために、大規模なトランスクリプトームデータを用いて、過剰発現させたmiRNAに応答して発現が低下したさまざまなmRNAに、約20億の部位タイプのそれぞれが豊富に存在するかどうかを統計的に調べた。その結果、4つのカノニカルな部位タイプに加えて、7つの機能的な非カノニカルな部位タイプが同定され、このほとんどが新規であることが分かった。一方、これまでの研究で報告された多数の偽陽性も取り除くことができた。大規模な実験的確認と3′ UTRの配列保存性が大きく高まったことから、これらの非カノニカルな部位タイプには生物学的性質に関係する役割がある可能性が示された。我々の機能的な部位タイプのカタログの拡張により、miRNAによって制御される遺伝子調節ネットワークが、現在考えられているよりもはるかに複雑であるかもしれないことが示唆された。

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