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急性リンパ性白血病:急性リンパ性白血病でのDUX4ERGの制御異常

Nature Genetics 48, 12 doi: 10.1038/ng.3691

造血系転写因子の制御異常をきたすような染色体再編成は、急性リンパ性白血病(ALL)ではしばしば見られる。本論文ではホメオボックス転写因子遺伝子であるDUX4およびETS転写因子遺伝子であるERGの脱制御が、B前駆細胞性ALL(B-ALL)の中の一亜型に特徴的に起こることを示す。この型は、B-ALLのうちの7%を占める。DUX4の再編成と過剰発現は全症例にあり、ERGの発現異常、ERGの新規アイソフォームであるERGaltの発現、ERG欠失の頻発を伴っている。ERGaltは正常とは異なる第一エキソンを使っており、その転写はDUX4の結合により開始されていた。ERGaltはERGのDNA結合能、トランス活性化領域を保持しているが、野生型ERGの転写活性を抑制し、がん化能を持っている。これらの知見から、白血病ではDUX4の制御異常がERGの機能喪失をもたらし、それは、ERGの欠失や、野生型ERGの働きを優性阻害的に抑制するアイソフォームの発現誘導によって引き起こされるというユニークな転写因子制御異常が見られることが分かった。

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