Technical Report

ハプロタイプ解析:ハプロタイプ参照コンソーシアムパネルを用いた参照パネルによるフェージング

Nature Genetics 48, 11 doi: 10.1038/ng.3679

遺伝医学や集団遺伝学においては、ハプロタイプのフェージングは基本的な問題である。遺伝子型決定されたコホートでフェージングを実施する場合、一般的には統計的フェージングが行われるが、この方法は、非常に大きなコホートでは高精度を上げられる一方で、小さなコホートでは精度が低くなってしまう。今回我々は、その代わりの方法として、参照パネルを用いたフェージングについて検討した。まず、新しいフェージングアルゴリズムであるEagle2について紹介する。このアルゴリズムはポジショナル・バローズ・ホイラー変換に基づく新しいデータ構造を用いており、外部の大きな参照パネル(例えばハプロタイプ参照コンソーシアム:HRC)の情報を効果的に利用して、広範囲のコホートサイズにわたって高い精度を得ることができる。我々はSHAPEIT2による参照パネルを用いたフェージングと比較して、Eagle2が約20倍の高速化と約10%の精度上昇をなしえたことをここに報告する。ヨーロッパ系祖先の試料におけるHRCパネルを用いたEagle2でのフェージングでは、1000人ゲノムによるフェージングよりも、精度を2倍以上上げることができた。Eagle2はオープンソースであり、Sanger Imputation ServiceやMichigan Imputation Serverを介して、HRCベースのフェージングが自由に利用可能である。

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