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エリマキシギ:構造的なゲノムの変化がエリマキシギ(Philomachus pugnax)における選択的繁殖戦略の基礎になっている

Nature Genetics 48, 1 doi: 10.1038/ng.3430

エリマキシギは旧北区の渉禽類で、高度に装飾された雄が雌をめぐって競争する壮観なレック行動が見られる。この鳥は動物界における最も驚くべき配偶行動を持つものの1つで、行動や羽毛の色、体のサイズが異なる3つのモルフ(異なる雄の型)が存在する(「independent」、「satellite」、「faeder」型)からなる。注目すべきことに、satelliteとfaederのモルフは優性対立遺伝子により決定されていることである。今回、我々は全ゲノム塩基配列決定法を用いてなぜこのような複雑な表現型の違いが単純な遺伝的基盤で実現できるのかという謎を解明した。SatelliteFaederの対立遺伝子はともにおよそ380万年前に起こった4.5 Mbの逆位に関連していた。我々は、およそ50万年前に起きた珍しい組換えイベントにより生じたSatellite染色体という進化論的シナリオを提案する。シギの配偶行動はモルフ間の表現型の違いに寄与する複数の遺伝子変化が逆位の領域内に蓄積したという進化過程の結果である。

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