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白血病:TCF3-HLF陽性の致死的な急性リンパ芽球性白血病のゲノミクスおよび薬剤応答プロファイリングから頻発する変異パターンおよび治療選択肢が明らかになる

Nature Genetics 47, 9 doi: 10.1038/ng.3362

現在、TCF3-HLF陽性の急性リンパ芽球性白血病(ALL)は治療不能である。本論文は、統合的手法を用いて、TCF3-HLF陽性ALLおよび治療反応性TCF3-PBX1陽性ALLにおいて、特徴的な変異、遺伝子発現および薬剤応答のプロファイルを明らかにしたので報告する。TCF3HLFの融合とともに、PAX5あるいはVPREB1の遺伝子内欠失が頻発していることが分かった。その上、TCF3-HLF陽性ALLではTCF3の非転座対立遺伝子の体細胞変異やPAX5遺伝子量の減少が見られることから、限定された遺伝的状況で協調効果があることが示唆された。TCF3-HLFシグネチャーに幹細胞および骨髄系の特徴が豊富に見られるのは、リンパ系に拘束されている起源細胞が、TCF3-HLFによって薬剤耐性のハイブリッド造血細胞状態に再プログラム化されることを反映している可能性がある。患者由来の対応する異種移植片の薬剤応答プロファイリングから、TCF3-HLF陽性ALLは、従来の化学療法剤に耐性を示すが、グルココルチコイド類、アントラサイクリン類、臨床開発中の薬剤には感受性を示すという特徴的なプロファイルが得られた。また、顕著なオンターゲット感受性が、BCL2特異的阻害剤ベネトクラックス(ABT-199)で達成された。従って、この統合的手法から、この致死的な疾患の選択的な治療選択肢が提供された。

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