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ミトコンドリア:UGO1様タンパク質をコードするSLC25A46の変異は視神経萎縮スペクトラム障害を引き起こす

Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3354

優性視神経萎縮(DOA)や軸索末梢神経障害(シャルコー・マリー・トゥース病2型、CMT2)は、遺伝性の神経変性疾患で、それぞれが、最も一般的にはカノニカルなミトコンドリア融合遺伝子のOPA1およびMFN2それぞれの変異によって引き起こされる。酵母では、OPA1のホモログ(Mgm1)とMFN2のホモログ(Fzo1)はUgo1と協調して作用し、そのため、これまでにヒトと同様な障害は明らかになっていない。本論文では、視神経萎縮およびCMT2が見られる患者の全エキソーム塩基配列決定法により、4つの家系にSLC25A46の劣性遺伝性変異を同定した。SLC25A46はUgo1と同様に、ミトコンドリア外膜に動員されて、内膜のリモデリングタンパク質のミトフィリン(Fcj1)と相互作用する修飾担体タンパク質であることが実証された。意外なことに、培養細胞やゼブラフィッシュでのSLC25A46の機能喪失により、ミトコンドリアが長くつながった構造が多く見られるようになり、一方、ゼブラフィッシュにおいてはニューロンの発生や維持が重度に障害された。SLC25A46の発見は、視神経萎縮とCMT2の間の遺伝学的重なりを強く支持するとともに、ミトコンドリアの動態に関係する新しい種類の修飾溶質輸送担体の例を示している。

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