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神経芽腫:原発性および再発の神経芽腫間の変異の動態

Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3349

神経芽腫は、発達中の交感神経系の悪性腫瘍で、再発が起こると致死的になることが多い。本論文では、全ゲノム塩基配列決定法、mRNA発現プロファイリング、アレイCGH、DNAメチル化解析を用いて、神経芽腫患者の診断時と再発時の16組の試料の特徴付けを行った。変異の負荷は、再発腫瘍で大幅に増加しており、変異シグネイチャーの変化とサブクローンの不均一性の減少が伴っていた。再発時の全体的な対立遺伝子頻度を調べると、疾患の進行過程でクローン変異選択があることを示していた。プロモーターのメチル化パターンは、疾患の過程にわたって一貫していて、患者に特異的であった。再発時に頻発する変化には、推定の神経芽腫腫瘍抑制因子CHD5の変異、染色体9p喪失、DOCK8の変異、PTPN14の不活化変異、PTPN14の標的であるYAPの再発時特異的な活性パターンが含まれる。再発腫瘍16のうち13において、HRASKRAS、および細胞と細胞の相互作用を仲介する遺伝子に新しい変異が頻発することから、間葉転換を仲介するシグナル伝達経路の障害が示された。我々のデータは神経芽腫における遺伝学的変化の頻度、同一性、進化を明らかにしている。

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