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膵がん:膵がんの感受性に関連する2p13.3、3q29、7p13、17q25.1の一般的な多様性

Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3341

膵がんは先進国世界のがんによる死亡の4番目の原因である。膵がんリスクの上昇に関連しているのは、BRCA2ATMPALB2BRCA1STK11CDKN2A、ミスマッチ修復遺伝子の遺伝性高浸透度変異および低浸透度座位の両方である。新しいリスク座位を同定するために、膵がん症例9,925例および対照11,569例についてのゲノムワイド関連研究を行った。その中には、北米、中央ヨーロッパ、オーストラリアの9研究で新しく遺伝子型を決定した膵がん症例4,164例と対照3,792例が含まれている。その結果、3つの新しい関連領域を同定した。つまり、17q25.1〔LINC00673、rs11655237、オッズ比(OR)=1.26、95%信頼区間(CI)=1.19-1.34、P=1.42 × 10−14〕、7p13(SUGCT、rs17688601、OR=0.88、95% CI=0.84~0.92、P=1.41 × 10−8)、3q29(TP63、rs9854771、OR=0.89、95% CI=0.85-0.93、P=2.35 × 10−8)である。2p13.3に有意な関連を同定したが(ETAA1、rs1486134、OR=1.14、95%CI=1.09-1.19、P=3.36 × 10−9)、この領域は中国漢民族においてこれまでに関連の証拠が示唆されていた。また、これまでに関連が報告されていた9q34.2(ABO)、13q22.1(KLF5)、5p15.33(TERTおよびCLPTM1)、13q12.2(PDX1)、1q32.1(NR5A2)、7q32.3(LINC-PINT)、16q23.1(BCAR1)および22q12.1(ZNRF3)の再現性を確認した。我々の研究は膵がんのリスクに関連する新しい座位を明らかにしている。

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