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神経芽腫:再発神経芽腫にはRAS-MAPK経路の変異が頻繁に見られる

Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3333

神経芽腫の患者の大部分では、最初のうちは腫瘍が化学療法に反応するが、多くの患者で治療抵抗性の再発が起こると考えられる。この進行性の表現型の分子基盤は解明されていない。診断時神経芽腫と再発神経芽腫の23組の全ゲノム塩基配列解読から、診断時腫瘍からのクローン進化と、再発腫瘍に独特の体細胞変異が中央値として29個明らかになった。23例の再発腫瘍のうち18例(78%)にRAS-MAPK経路を活性化すると予測される変異が見られた。このうち7個は再発腫瘍にのみ検出され、一方、その他の変異は診断時腫瘍に存在したが、その全てが再発クローンで保存されている。神経芽腫細胞株でも、RAS-MAPK経路の活性化変異が高頻度に検出され(11/18、61%)、これらの変異からin vitroおよびin vivoでのMEK阻害に対する感受性が予測された。我々の知見は、再発神経芽腫の遺伝学的特徴の論理的根拠を明らかにし、また、RAS-MAPK経路の変異が難治性疾患に対する新しい治療手法のバイオマーカーとして作用する可能性を示している。

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