Analysis

がんゲノム:ヒトがんゲノム調節領域に見つかる高頻度の体細胞変異

Nature Genetics 47, 7 doi: 10.1038/ng.3332

がんにおける遺伝子発現の調節異常によって、がん細胞が生き残りやすくなったり、増殖が促進されたりし得ると考えられている。本論文では、がんゲノムアトラス(The Cancer Genome Atlas:TCGA)のデータを利用して、8種類のがんが含まれる436人の患者の全ゲノム配列解読データとENCODEなどの機能アノテーションを統合し、調節領域に起こる点変異を同定した。その結果、転写因子結合部位の変異が正の選択を受けている証拠が見つかった。このことは、これらの部位ががん細胞の重要な機能を調節している事実と矛盾しない。サンプルおよびゲノム領域に特異的な変異率を補正する新しい方法を適用して、がん患者に共通して変異が頻発する部位を同定した。変異が生じた調節部位には TERTプロモーター領域内の既知の部位や、がん発症関連遺伝子の近傍部位といった多数の新たな部位が含まれていた。リポーター遺伝子を利用した解析から、変異に起因するエンハンサー活性の低下が2つの新たな部位で観察された。上記の結果から、選択圧下では多くの調節領域で変異が生じていることが明らかになり、がんにおける調節領域の変異がこれまでに認識されているよりも大きな役割を担っていることが示唆された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度