Technical Report

自己免疫疾患:関連する自己免疫疾患の遺伝的リスクのバリアントについての共通の対照を用いた統計的なcolocalization法

Nature Genetics 47, 7 doi: 10.1038/ng.3330

疾患の原因と考えられるバリアントが関連疾患で共有されるかどうかを決定することにより、多因子疾患において重複している病因を明らかにできる。colocalization法は、共有される原因バリアントと個別の原因バリアントを明らかにできる方法である。しかし、既存の技術では独立したデータセットが必要となる。本論文では、2つのcolocalization法を拡大して、疾患にわたるゲノムワイド関連研究の結果の比較に一般的に用いられる共有対照を設定できるようにしたことを報告する。4つの自己免疫疾〔1型糖尿病(T1D)、関節リウマチ、セリアック病、多発性硬化症〕についての1回の解析により、少なくとも1つの疾患に関連する90領域が明らかになり、そのうちの33領域(37%)が2つ以上の疾患に関連していた。ただし、これらの33の共有領域のうちの14領域では、原因バリアントが異なっている証拠があった。これまでに、他の3つの疾患の1つ以上に関連していた11領域において、疾患との新しい関連が同定された。8つのT1D特異的領域のうちの4領域は、既知の2型糖尿病(T2D)候補遺伝子(COBLGLIS3RNLSBCAR1)を含んでいたことから、細胞学的な病因が共有されていると考えられる。

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